将来残る仕事は、社長とバカとヤクザ
オックスフォード大のマイケル・オズボーン教授が「どんどん雇用はテクノロジーに奪われるよ」と論文を書いて話題になりました。
論文が既に4年前のものですが、現在でもイーロンマスクが「人工知能に人間の職は奪われる」と語るなど、未だに世間の興味関心が高い話だと言えそうです。
上記の記事にもあるように、そのような社会になればBI(ベーシックインカム)が必須になるのでしょう。
それでも筆者は3つの職業は無くならないと考えています。これからも働きたい仕事大好き人間の方々は、参考にすると良いと思います。
■社長
なくならない仕事その1は、社長です。
と言っても、現代の社長がやっている業務のほとんどはテクノロジーに取って代わられるでしょう。囲碁の世界でAIがヒトを越えたように、もはや戦略立ても機械が担える分野になってきました。
そのうち「今年の経営戦略は〇〇で行きましょう」と示すAIが出てくるかもしれません。
そんな世界で社長に残された業務は何か。それは謝罪会見です。
AIのおかげで、99.9%正しい解を見いだせる世界が来たとします。それでも残りの0.1%が起こった時に機械は責任を取れません。現在議論になっている「自動運転で事故が起こった時に責任を取るのは誰だ」問題などもそうです。
何か不祥事が起こった時、怒りに燃える市民のはけ口に、石打ち刑を執行する相手が必要です。それは誰か?社長です。非常にやりがいのある素晴らしいお仕事ですね。
■バカ
なくならない仕事その2は、バカです。
もうなんか仕事じゃなくなってきましたが、テクノロジーが強者となる時代には、むしろこの要素は強みになります。
エジソンの幼少期は落ちこぼれであり、ガリレオは「地動説www」と裁判にかけられ、ゴッホは耳を切りました。彼らに共通しているのはバカだったことです。
(その当時においては)合理的ではないと言われたことに取り組む、カッコイイ言い方をするならイノベーター達です。
ビッグデータを積み重ね、その中から合理的判断しかできないAIは、バカにはなれません。これからは耳を切り落とせるやつだけが、食っていけます。芸術は爆発だ。ビジネスも爆発だ。(ただし汎用人工知能が完成すると、その限りではありません)
■ヤクザ
なくならない仕事ラスト、これこそ大本命、ヤクザです。
そもそも「機械には担えないこと」なんて、とうの昔にアイザック・アシモフが唱えていたんですよ。
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
— 2058年の「ロボット工学ハンドブック」第56版
ロボット工学三原則の中で最も重要とされる第一条に「人間に危害を及ぼしてはならない。」とあります。つまりロボットが最も苦手とすることは暴力です。
「銃」は危害を加えるために作られたテクノロジーですが、それも使用者の人間があってこそです。テクノロジー単体だけでは人間に危害は加えられません。
債務者に夜逃げされそうになった時、政治でのし上がりたい時、とりあえずアイツがむかつく時、テクノロジー自体はどうにもしてくれません。
まあペッパー君が「オラ、〇〇サン、イルンダロ?アケロ、コラァ(ドンドン)」と取り立てる時代とかは来るかもしれませんが、そのペッパー君に指令を出す人間は必ずいるはずです。
逆に、ペッパー君が完全に自律して取り立てにくるようになったら、その時は人類の終わりかもしれません。
この発展として、殺し屋とかもそうですね。
ゴルゴ13はこれからも安泰そうです。さいとうたかお先生、新刊お待ちしております。
■まとめ
うん、BIで細々生きてくのが一番いいわ。
そしてそんなことにならないためには、テクノロジーを使える人間こそが強い時代が来ると思っています。
おしまい。