Fラン大は全て職業訓練校に変えるべき
筆者は現在就活生。大学生活も終盤に差し掛かり、卒業後に社会人として働く自分を想像したりすることもある。
一方面接で「大学で学んできたこと」についてあまり問われないことに疑問を感じたりしてきた。応募要件には「2018年に大学を卒業見込みであること」と書かれているのに、その大学で学んだことを問われないとはいかがなものか。企業は学生に何を求めているのか。そもそも大学の存在意義とは何か。
■大学の存在意義
大学について、文科省によると
大学は、学術の中心として深く真理を探求し専門の学芸を教授研究することを本質とするもの
とのこと。
この答申を読んで、大半の大学生は「は?」となるかと思う。特に男子大学生などは、真理の探究よりも、合コンで目の前に座っている巨乳美女の心理ばかり探究してるわけであるが、どうやら学生という身分について勘違いをしていたようだ。
でもかといって、じゃあ真理を探究して役に立つのかって話なのだ。
もちろん全く意味がないと言いたいわけではない。ただ多くの学生にとって、真理を探究した結果が評価されるとは考えにくい。
在学中での大きなイベントである就活においても、それは顕著だ。
経団連が2016年度に調べた調査では、企業が「選考にあたって特に重視した点」は「コミュンケーション能力」になっている。これは13年連続らしいのでもうちょっと捻れよと思わなくもないが、それだけ大事な能力のようだ。
参照:経団連:2016年度新卒採用に関するアンケート調査結果 (2016-11-15)
そう、筆者自身も就活中のため面接は既に何十回も経験しているが、一度たりとも「真理を探究した結果、何が見えましたか?」と聞かれたことはない。
逆に聞かれるのは「インターン経験は?」とか「ボランティア経験は?」とか「サークル活動は?」とかである。たまに「研究内容について」という質問もあったが、そこを深堀りされたわけでもない。
一応既に書いた研究論文は大学紀要にも掲載されたので、ちょこっとは頑張ったつもりでもあったのだが、まあそんな有名大学でもないからか特に重要視もされなかった。
これがごく一部の優秀な大学の学生や、はたまた大学院や博士課程の人だとまた別なのだろう。
しかし、生活のほとんどを「ウェーイ」で済ませている平凡な学部生に、社会からはそこまで求められていないように感じる。
■スイスの教育制度
なので、ここいらで「大学は真理を探究するところ」だとハッキリさせ、それとは別に就職に直結する職業訓練校を多く創るべきだ。
教育大や医大等、専門職に特化した大学はあるが、「営業大学」とかのような大半の学生が経験するであろう職種の大学ももっとあった方がいい。そこから更に「人材系営業科」とか「IT系営業科」とかでそれぞれ専門的に「稼ぎ方」を勉強していく。
世界を見渡すと、こういった教育システムを取っているのはドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス)に多い。
例えばスイスを事例にあげると、高校から既に職業訓練を重視し、実学教育に力を入れている。
スイスでは、義務教育の9年間を修了したあと、3人に2人が、日本で一般的な全日制の高校に通わず、「職業訓練」という実践的な職業訓練と学校教育が並行する教育課程にはいっていきます。特に男性にこのパターンが多く、2011年の国の統計では、男性の75%が 職業訓練課程を修了しています(女性は63%)。
その結果スイスにもたらされたのが「世界一革新的な国」の称号である。
1位はスイスで6年連続です。
勝手にこういうランキングではアメリカが一位だと思っていたが、スイスだったことに驚いた。
スイスといえば、ゴ〇ゴ13の大好きな銀行があるってイメージだったが、結構イノベーティブでもあるらしい。
かと言って、職業訓練校をバカスカ建てても税金がもったいない。なので、俗に言う「Fラン大」だけでも、この方向にシフトするのが良いと思う。
Fラン大の定義も難しいが、例えば奨学金遅延率を参考にするのはどうか。
借金をしてまで大学に通って真理を探究しても、奨学金を返せるほど稼げない学びしか得られないのであれば、思い切って「稼ぐ力」を学ぶのにシフトした方が良い。
真理探究とか、学芸研究だとか、大事だというのはよくよーく分かるが
かといってそれは一部のエリート層の話であり、非エリートの我々には特に関係ないし、全然生活の役にも立たないし、それより沢山稼ぐにはどうしたらええんやと感じている人の方が多いのではないだろうか。